大月町の柴神様 赤泊の海岸に至るへんろ道の途中に、 浜石(海岸の丸い石)が積んである。 道が急な下りになって間もなく、 左手の山の斜面に、握りこぶしくらいの石や 大きなものは大人2人で運ばなければ無理なくらいの 長さ50cm程の大ぶりの石が 明らかに誰かによって浜から運び上げられ 置いてある。 こんな山の中に何故? 遺跡だろうか? ということで調べてみることにしたのだ。 赤泊の集落の古老に聞くとすぐに分かった。 それは「柴神様(しばかみさま)」というものだそうだ。 インターネットで調べてみると、 芝神様とは 本来旅の安全を祈った神様で、 タブの木を折って備えると足が軽くなるという言い伝えがあるそうだ。 また、お隣の土佐清水のへんろ道にも「柴神様」はあって、 ここでは、(芝=潅木の枝)を折って備える風習があるそうである。 ほとんどが、登り道の頂上付近にあるそうだ。 枝はなるべく緑のものがよく、次に登って来た人が しおれていない葉っぱを見て、 (ここはつい最近人が登った道なので安全だ)とか、 (もう少しで頂上なので頑張ろう)とか、 という励ましの意味もあったらしい。 「柴神様」という名前からして、 本来「木の枝」を供えるのが本当のような気がするが、 大月の柴神様どうして「石」なのかは不明である。 たまたま近くに海岸があったせいだろうか。 土佐清水市の古老に聞くところによると、昔は足摺岬にある38番札所 「金剛福寺」の奥の院にいたる道の途中にも、 3ケ所程浜石を積み上げた塚のようなものがあったそうだ。 その後、奥の院の移転により、それはなくなってしまったそうなのだが なにか「お遍路さん」と石は関係あるのかもしれない。 |